
リースバックのメリット・デメリットを徹底整理
リースバックのメリットとデメリットを、利用者目線で図解とあわせて整理しました。後悔しないために、利用前に知っておきたい注意点まで解説します。
約11分で読めます
リースバックは便利な仕組みですが、メリットだけで判断すると後悔につながることもあります。
✓この記事のポイント
- メリット:住み続けられる/早期にまとまった資金/維持費・ローン負担の軽減/買い戻しの可能性
- デメリット:売却価格は相場の6〜8割/家賃が発生(割高なことも)/所有権を手放す/契約期間に制限のことも
- 売却後は所有権が買主に移るが、賃貸借契約で居住は継続できる(所有と居住を分けて考える)
- 売却価格と家賃はトレードオフ。高く売れるほど家賃も高くなりやすい点に注意
- 判断のコツは、資金を使い切った後も家賃を払い続けられるかを家計全体で確認すること
メリット・デメリットを一目で
まず全体像を図解で整理します。左がメリット、右がデメリット・注意点です。
メリット
- 住み慣れた家に住み続けられる(引っ越し不要)
- まとまった資金を早く受け取れる
- 固定資産税・修繕費・ローンの負担が軽くなる
- 将来買い戻せる可能性がある
- 売却資金は使途自由
デメリット・注意点
- 売却価格は市場価格の6〜8割が目安
- 毎月の家賃が発生し、割高になることも
- 自宅の所有権を手放すことになる
- 定期借家だと住み続けられる期間に制限のことも
以下、それぞれを詳しく見ていきます。
リースバックのメリット
1. 住み慣れた家に住み続けられる
最大のメリットは、売却後も引越しをせずに同じ家に住み続けられることです。生活環境や人間関係を変えずに済みます。お子さんの学区や通勤・通院の利便性、ご近所付き合いをそのまま保てるのは、通常売却にはない利点です。
2. まとまった資金を早く受け取れる
売却代金を最短数日〜数週間で受け取れるケースもあります。資金の使い道は自由で、生活費・事業資金・ローン返済などに充てられます。通常の仲介売却では買主が見つかるまで数か月かかることもあるため、スピード面でも利点があります。手続きの流れはリースバックの流れをご覧ください。
3. 維持コストやローン負担から解放される
所有者ではなくなるため、固定資産税や建物の修繕費などの負担がなくなります。住宅ローンが残っている場合は、売却代金で完済できることもあります。返済が家計を圧迫している場合は、負担を家賃に組み替えられる点が利点です。詳しくは住宅ローンが残っている場合をご覧ください。
4. 将来的に買い戻せる可能性がある
契約によっては、将来同じ家を買い戻せる「買戻し特約」を付けられる場合があります。ただし買い戻し価格は売却価格より高くなるのが一般的なため、条件の確認が欠かせません。詳しくは買い戻しの仕組みと注意点をご覧ください。
資金使途は自由
売却で得た資金は借入ではないため、使い道に制限はありません。老後資金、医療費、教育費など幅広く活用できます。
所有権は移るが、居住は続けられる
メリットとデメリットを正しく理解するうえで大切なのが、「所有」と「居住」を分けて考えることです。リースバックでは、売却によって所有権は買主に移りますが、同時に結ぶ賃貸借契約によって居住は継続できます。下の図のイメージです。
売却前
- 所有者
- 本人
- 居住
- 本人(持ち家)
- 毎月の負担
- ローン等
売却後(リースバック)
- 所有者
- 買主(不動産会社等)
- 居住
- 本人(賃貸として継続)
- 毎月の負担
- 家賃
「所有権を手放す」ことはデメリットに見えますが、その代わりに維持費やローンの負担から離れられるという側面もあります。メリットとデメリットは表裏の関係にあると捉えると、判断しやすくなります。
リースバックのデメリット・注意点
1. 売却価格が市場相場より低くなりやすい
売却価格は市場価格の6〜8割程度が目安です。通常の売却よりまとまった金額は下がる傾向があります。これは、買主が「賃貸に出して家賃収入を得る」ことを前提に購入するためです。すぐに住み替えてよいなら、通常売却のほうが手取りが多くなることもあります。
2. 家賃が発生し、割高になることもある
毎月の家賃が発生します。家賃は買取価格と買主の想定利回りから決まるため、周辺の家賃相場より高くなるケースもあります。また、売却価格を高くすると家賃も高くなりやすいというトレードオフがあります。価格と家賃のバランスは費用・相場で詳しく解説しています。
3. 所有権を手放すことになる
売却により自宅の所有権は買主へ移ります。資産としての持ち家ではなくなる点は理解しておきましょう。将来買い戻す場合も、売却額より高い価格になるのが一般的です。
4. 住み続けられる期間に制限がある場合がある
定期借家契約では、契約期間満了で退去を求められる可能性があります。長く住み続けたい場合は、更新して住み続けやすい普通借家かどうかを確認しましょう。契約形態の違いは普通借家と定期借家の違いをご覧ください。
家計のシミュレーションを
売却資金を使い切ったあとも家賃の支払いは続きます。長期的に家賃を払い続けられるか、家計全体で確認することが大切です。
メリットとデメリットの比較表
| 観点 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 住まい | 住み続けられる | 所有権を失う/期間制限の可能性 |
| 資金 | 早期にまとまった資金 | 売却価格は相場の6〜8割 |
| 毎月の支出 | ローン・税負担が減る | 家賃が発生(割高なことも) |
よくある質問
Q. デメリットを減らすにはどうすればよいですか? A. 「売却価格と家賃をセットで比較する」「契約形態(普通借家/定期借家)を確認する」「複数社の条件を比べる」ことが基本です。価格の高さだけ・家賃の安さだけで判断しないことが、後悔を避けるコツです。
Q. 結局、通常の売却とどちらがよいですか? A. すぐに住み替えてよいなら、市場価格に近い通常売却のほうが手取りは多くなりやすいです。「今の家に住み続けたい」という希望があるなら、その価値を含めてリースバックを検討する意味があります。ご自身が向いているかは向いている人の整理もご覧ください。
Q. 売却したらもう自分の家ではなくなりますか? A. 所有権は買主に移りますが、賃貸借契約により同じ家に住み続けられます。将来「買戻し特約」で買い戻せる場合もありますが、価格は売却額より高くなるのが一般的です。
まとめ
リースバックは「住み続けながら資金化できる」点が魅力ですが、価格・家賃・契約期間にはデメリットもあります。メリットとデメリットは表裏の関係にあるため、資金を使い切った後も家賃を払い続けられるかを家計全体で確認することが、後悔しないための要です。判断に迷う場合は、向いている人の整理やトラブル事例も確認したうえで、無料相談をご利用ください。
この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
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