
普通借家と定期借家の違い|リースバックの契約形態
リースバックで住み続けられる期間を左右する「普通借家契約」と「定期借家契約」の違いを、図解とメリット・注意点とあわせて解説します。
約9分で読めます
リースバックで「いつまで住み続けられるか」を大きく左右するのが、賃貸借契約の形態です。
✓この記事のポイント
- リースバックの賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類がある
- 普通借家は借主保護が厚く、正当事由がない限り更新して長く住み続けやすい
- 定期借家は契約期間が定められ、期間満了で終了する可能性がある(再契約は保証されない)
- 「ずっと住み続けたい」なら普通借家が安心。定期借家なら再契約の可否と条件を必ず確認する
- 契約形態の確認不足はトラブルのもと。契約書面で形態・期間・家賃改定条件を確認する
まずは違いを図解で
2つの契約は「契約が更新されるか」「いつまで住めるか」が大きく異なります。下の図で全体像をつかみましょう。
普通借家契約
- ・更新が前提で、長く住み続けやすい
- ・借主(住む人)の保護が比較的厚い
- ・貸主からの一方的な解約は原則むずかしい
定期借家契約
- ・契約期間が定められ、満了で終了する
- ・再契約できる場合もあるが保証はされない
- ・長期居住を望むなら期間・更新条件の確認が重要
以下、それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
普通借家契約
借主の保護が厚く、正当な事由がない限り更新して住み続けられる契約です。長く住みたい方に向いています。
貸主(買主)の側から「出ていってほしい」と言うには、法律上の「正当事由」が必要とされ、借主の同意なく一方的に終了させることは原則できません。そのため、「終の住処として長く住み続けたい」という方には普通借家のほうが安心です。一方、借主保護が厚い分、家賃などの条件は定期借家よりやや厳しめに設定されることもあります。
定期借家契約
あらかじめ契約期間が定められ、期間満了で契約が終了する契約です。再契約できる場合もありますが、保証はされません。
たとえば「契約期間2年」と定められていれば、原則として2年で契約は終了します。期間満了後も住み続けたい場合は、貸主との合意による再契約が必要ですが、応じてもらえるとは限らず、再契約時に家賃が見直されることもあります。「とりあえず数年住めればよい」「将来の住み替えを前提にしている」といったケースでは選択肢になりますが、長期居住を望む場合は注意が必要です。
なぜ定期借家が選ばれることがあるのか
買主(事業者)側にとっては、将来の活用(再販・建て替えなど)の予定を立てやすいため、定期借家を提示することがあります。借主にとって不利になりやすい形態のため、提示された場合は期間と再契約の条件を必ず確認しましょう。
比較表
| 項目 | 普通借家契約 | 定期借家契約 |
|---|---|---|
| 契約の更新 | 原則更新できる | 期間満了で終了 |
| 住み続けやすさ | 高い | 再契約次第 |
| 家賃 | 比較的安定 | 条件により様々 |
| 向いているケース | 長く住み続けたい | 数年など期間が決まっている |
長く住みたいなら普通借家
「ずっと住み続けたい」場合は普通借家契約が安心です。定期借家の場合は、再契約の可否と条件を必ず確認しましょう。
具体例で考える
たとえば「老後はこの家で暮らし続けたい」という方が、よく確認せずに定期借家(期間2年)で契約してしまうと、2年後に再契約を断られた場合に退去を求められる可能性があります。一方、同じ方が普通借家で契約していれば、正当事由がない限り更新して住み続けられます。
このように、同じリースバックでも契約形態しだいで「住み続けられる期間」が大きく変わります。家賃の安さや売却価格の高さだけで決めず、契約形態とセットで判断することが、後悔しないコツです。
契約前のチェックポイント
- 契約形態は普通借家か定期借家か
- (定期借家なら)契約期間と再契約の可否・条件
- 家賃の改定(更新)条件
- 中途解約の可否や違約金の有無
契約形態の確認不足はトラブルのもとです。手続き全体の流れはリースバックの流れ、実際のトラブルはトラブル事例もあわせてご覧ください。
よくある質問
Q. 普通借家と定期借家、どちらを選ぶべきですか? A. 長く住み続けたい場合は、更新して住み続けやすい普通借家が安心です。住み替えの予定があり数年だけ住めればよい場合は、定期借家でも選択肢になります。希望する居住期間に合わせて判断しましょう。
Q. 定期借家でも更新(再契約)できますか? A. 再契約できる場合もありますが、保証はされません。貸主との合意が必要で、家賃などの条件が見直されることもあります。長期居住を望むなら、契約前に再契約の可否と条件を確認しましょう。
Q. 契約形態は後から変更できますか? A. 一般的には契約時に決まり、後からの変更は容易ではありません。だからこそ、契約前に形態・期間・家賃改定の条件を契約書面でしっかり確認しておくことが重要です。
まとめ
リースバックでどのくらい住み続けられるかは、普通借家か定期借家かで大きく変わります。長く住みたいなら普通借家、期間が決まっているなら定期借家も選択肢ですが、いずれも契約形態・期間・再契約や家賃改定の条件を契約書面で確認することが大切です。仕組みの全体像はリースバックとはもあわせてご覧ください。
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この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
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