
歯科医院のリースバック|診療を続けながら医院を資金化する
歯科医院のリースバックを解説。徒歩圏の診療圏に支えられ移転しにくい歯科医院で、診療を止めずに土地建物を資金化する仕組み、ユニット・CTなど設備更新や承継への活用、自宅兼医院ならではの注意点をまとめます。
約8分で読めます
歯科医院は「家から近い」「通い慣れている」ことで選ばれる、診療圏が徒歩・自転車圏に集中した事業です。移転すれば長年の患者との関係が切れかねません。リースバック(セール&リースバック)なら、同じ場所で診療を続けながら医院の土地建物を資金化できます。
✓この記事のポイント
- 医院の土地建物を売却し、賃借して診療を続けながら資金化できる
- 徒歩圏中心の診療圏と長年の患者との関係を手放さずに済む
- ユニット・歯科用CT・滅菌設備など設備更新の資金に充てられる
- 診療所の開設届など、権利関係の変更に伴う手続きの確認が必要
- 自宅兼医院の場合は、住まいと医院の両方の契約条件を確認する
診療圏が狭い歯科医院こそ「移転しない資金化」
歯科医院の患者の多くは、医院の徒歩・自転車圏に住む地域の方です。コンビニより多いといわれる歯科医院の競争環境では、移転による患者離れのリスクは重く、場所そのものが経営資産になっています。建物を手放して移転する通常売却は選びにくいのが実情です。
リースバックであれば、所有権だけを買主に移し、賃貸借契約で同じ場所での診療を続けられます。取引の基本的な仕組みは法人のセール&リースバックの基礎を、医療系の事業用不動産の考え方はクリニック・診療所のリースバックや調剤薬局のリースバックもご覧ください。
自宅を売却
不動産会社・投資家へ売却し、所有権が買主へ移る
賃貸借契約を結ぶ
同じ家について買主と賃貸借契約を締結する
住み続ける
毎月家賃を払いながら、引っ越しせず居住を継続
資金を活用
受け取った売却代金を自由な用途に充てられる
資金の主な使途
| 使途 | 内容の例 |
|---|---|
| 設備の更新 | ユニットの入れ替え、歯科用CT・マイクロスコープ導入、滅菌体制の強化 |
| 医院の改装 | 個室診療室・キッズスペースの整備、バリアフリー化、外観リニューアル |
| 借入返済・財務改善 | 開業時・増改築時の借入の一本化、月々の返済負担の圧縮 |
| 承継の準備 | 親族承継・第三者承継に向けた資産の現金化・整理 |
歯科医療は設備投資のサイクルが早く、CT・マイクロスコープなど自費診療を支える設備が競争力を左右します。土地建物を現金化しておくと、借入枠を温存したまま設備投資を進めやすくなる場合があります。財務面の考え方は資金繰り改善の解説、承継での活用は事業承継・M&Aでのリースバック活用もご覧ください。
歯科医院ならではの留意点
開設届・エックス線装置の届出と契約条件を確認
診療所の開設や歯科用エックス線装置には保健所等への届出があり、建物の権利関係が変わる際は変更手続きの要否を確認する必要があります。賃借して同じ場所で診療を続けるため運営への影響は限定的と考えられますが、事前に行政書士や所管の保健所にご確認ください。また、ユニット・配管など建物と一体化した設備をどこまで売却対象とするか、改装(レイアウト変更)の承諾条件も契約前に取り決めましょう。
自宅兼医院の場合
1階が医院・2階が自宅という自宅兼医院は歯科で特に多い形態です。この場合、売却後は診療と暮らしの両方が同じ賃貸借契約の上に乗ることになるため、使用目的(診療所としての使用)や家賃の水準、契約期間を、医業収入と家計をあわせた資金計画で確認することが大切です。考え方は店舗併用住宅のリースバックや経営者の自宅リースバックも参考になります。
よくある質問
Q. 診療を止めずに売却できますか? A. はい。売却と同時に賃貸借契約を結ぶため、休診せずに同じ場所で診療を続けられるのが一般的です。患者への影響もありません。
Q. 開設届やエックス線装置の届出はどうなりますか? A. 同じ場所で診療を続けるため影響は限定的と考えられますが、権利関係の変更に伴う手続きの要否は所管の保健所等にご確認ください。
Q. ユニットや院内の設備も売却対象になりますか? A. 建物と一体の設備をどこまで含めるかは契約によります。設備の所有・修繕・更新の負担区分を契約前に明確にしておきましょう。
Q. 承継を考えていますが、それでも使えますか? A. 承継準備として不動産を現金化・整理する目的で検討される場合があります。承継スキームとの整合が重要なため、専門家と連携して進めることをおすすめします。
まとめ
歯科医院のリースバックは、狭い診療圏に根ざした医院が、移転せずに設備投資・財務改善・承継準備の資金を確保できる手段です。届出や設備の扱い、自宅兼医院の契約条件など、医療施設ならではの確認事項も押さえておきましょう。手続きの流れはリースバックの流れを、サービス概要は法人向けリースバックをご覧ください。
大阪・関西の医療法人・開業医のご相談は、無料相談フォームよりお気軽にどうぞ。
この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
事業用不動産、いくらで資金化できるか無料査定
事務所・店舗・工場・倉庫など、使い続けながらの資金化をご提案します。フォームは3ステップ・約1分、査定・ご相談は無料・秘密厳守です。
- 相談・査定は無料
- 秘密厳守
- 提携宅建業者が直接対応
- しつこい勧誘なし
関連する記事

スーパー銭湯・温浴施設のリースバック|営業を続けながら資金化
スーパー銭湯・サウナ・温浴施設のリースバックを解説。ボイラー・浴槽など設備が建物と一体の温浴施設で、営業を止めずに資金化する仕組み、サウナ改装・省エネ設備・燃料費対策への活用、大型施設ならではの注意点をまとめます。
約8分で読めます

運送会社のリースバック|営業所・車庫を使い続けながら資金化
運送会社(一般貨物自動車運送事業)のリースバックを解説。営業所・車庫の認可が場所に紐づく運送業で、事業を止めずに土地建物を資金化する仕組み、車両更新・ドライバー確保・2024年問題対応への活用と注意点をまとめます。
約8分で読めます

結婚式場・ゲストハウスのリースバック|施設を続けながら資金化
結婚式場・ゲストハウス・ブライダル施設のリースバックを解説。少人数婚への転換期にある業界で、営業を止めずに施設を資金化する仕組み、リニューアル・業態転換・借入返済への活用、大型施設ならではの注意点をまとめます。
約8分で読めます