
セール・アンド・リースバックの会計処理と仕訳をわかりやすく解説
法人のセール・アンド・リースバックの会計処理を、売却益・売却損の扱いや仕訳例とともに解説。金融取引と判定されるケースや新リース会計基準の注意点もまとめます。
約5分で読めます
法人が事業用不動産をセール・アンド・リースバックする際は、会計処理の考え方を押さえておくことが重要です。本記事では基本的な仕訳の流れと注意点を整理します。
✓この記事のポイント
- 「資産を売却」して「同じ資産を賃借」する取引で、資金をオフバランスで調達できる
- 通常の売却なら売却損益を計上し、以後は賃料を費用処理する
- 実態が融資に近いと「金融取引」と判定され、売却処理が認められない場合がある
- 新しいリース会計基準の動向にも留意が必要
- 税務上の取扱いと否認リスクは、必ず顧問税理士・会計士に確認する
セール・アンド・リースバックとは(おさらい)
自社が保有する不動産(事務所・店舗・工場・倉庫など)を売却し、買主と賃貸借契約を結んで使い続けながら資金化する手法です。基本的な仕組みは法人向けリースバックの基礎で解説しています。
売却前(イメージ)
売却後(リースバック)
不動産はオフバランス化され総資産が圧縮。
月々の負担は賃料に一本化される
会計処理の基本:売却損益の扱い
通常の売却+オペレーティング・リースに該当する場合、原則として次の流れになります。
- 売却時に、帳簿価額と売却額の差額を**固定資産売却益(損)**として計上
- 売却後は、毎月の**賃料を支払賃借料(費用)**として処理
仕訳の例
たとえば帳簿価額8,000万円の不動産を1億円で売却した場合の売却時の仕訳イメージです(消費税等は考慮を省略)。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 現預金 | 1億円 | 建物・土地 | 8,000万円 |
| 固定資産売却益 | 2,000万円 |
その後の毎月の賃料支払いは「支払賃借料 ◯◯/現預金 ◯◯」で費用処理します。
金融取引と判定されるケース
「売却」と認められないことがある
買い戻し条項などにより実態が融資に近いと判断されると、会計上「金融取引」として扱われ、売却損益を計上できず借入金として処理することになります。買い戻し条件の設計は会計・税務の両面で確認が必要です。
また、リース会計基準は改正の動きがあり、オフバランス効果や表示方法に影響する可能性があります。適用時期・自社への影響は専門家に確認しましょう。
よくある質問
Q. 売却益が出ると税金はどうなりますか? A. 固定資産売却益は課税所得に影響します。一方で売却損は損金算入できる場合があります。具体的な税務処理は顧問税理士にご確認ください。
Q. 必ず売却益・売却損が出ますか? A. 帳簿価額と売却額の差で決まります。含み益のある不動産では売却益、含み損があれば売却損となるのが一般的です。
Q. オフバランスの効果は? A. 総資産が圧縮され、自己資本比率など財務指標の改善が期待できます。詳しくは事業用リースバックの記事群もご覧ください。
まとめ
セール・アンド・リースバックの会計処理は、「通常の売却+賃借」か「金融取引」かの判定が分かれ目です。仕訳の考え方を理解しつつ、最終的な処理は顧問税理士・会計士に確認しましょう。法人向けリースバックの基礎や法人リースバックの事例もあわせてご覧ください。
大阪・関西の法人のご相談は、無料相談フォームよりお気軽にどうぞ。
この記事の執筆・監修
リースバックス 編集部編集部
リースバック・不動産売却に関する情報を、公的機関や事業者の公開情報をもとに調査し、利用者目線でわかりやすくお届けする編集チームです。制度や相場は変化するため、最新情報は専門家への確認を推奨しています。
監修:松浦 誠大宅地建物取引士
株式会社ハース所属の宅地建物取引士。大阪・梅田を拠点に、リースバックを含む不動産売買・賃貸借の実務に携わる。実務者の視点から、記事内容の正確性を確認しています。
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